今年の米国アカデミー賞の行方を占う前哨戦の一つとして注目される「第64回ゴールデングローブ賞」の発表・授賞式が1月15日午後8時(日本時間16日午前10時)からカリフォルニア州ビバリーヒルズのホテルで行われました。

今年は例年と比較すると、受賞作が分散されました。

最多受賞作品は5部門でノミネートされ、作品賞(ミュージカル/コメディ部門)、助演男優賞(エディ・マーフィー)、助演女優賞(ジェニファー・ハドソン)の3部門を受賞した『ドリームガールズ』です。

一方で、最多6部門にノミネートされていた『バベル』は作品賞(ドラマ部門)を受賞するのみに留まりました。

監督賞は『ディパーテッド』はマーティン・スコセッシが輝きました。

脚本賞は『クィーン』。同作は他にもヘレン・ミレンが主演女優賞(ドラマ部門)を受賞しています。

ドラマ部門の主演男優賞は『The Last King of Scotland』のフォレスト・ウィテカー、そして主演女優賞(ミュージカル/コメディ部門は『プラダを着た悪魔』のメリル・ストリープでした。

主演男優賞(ミュージカル/コメディ部門)を受賞したのは、「カザフスタンからやってきたテレビ番組レポーター」との肩書きでアメリカ各地をめぐるというドキュメンタリー形式によるモキュメンタリー・コメディ映画という『ボラット』で主人公ボラットを演じたサシャ・バロン・コーエン。『ボラット』を巡っては、ユダヤ人を激しく差別するキャラクターや撮影手法が問題となり数々の訴訟が起こっています。

第二次世界大戦の大きな転機となったと言われている硫黄島での戦いを、クリント・イーストウッド監督が描いた2部作『父親たちの星条旗』と『硫黄島からの手紙』は監督賞(ダブルノミネート)こそ逃したものの、『硫黄島からの手紙』が外国語映画賞を受賞しました。

なお、この他にベテラン俳優ウォーレン・ベイティには功労賞が授与されました。

映画作品に関わるノミネート&受賞者は次の通り(受賞者は◎で表示):

■作品賞(ドラマ部門)
◎『バベル』
○『ボビー』
○『ディパーテッド』
○『Little Children』
○『クィーン』

■作品賞(ミュージカル/コメディ部門)
◎『ドリームガールズ』
○『ボラット』
○『プラダを着た悪魔』
○『リトル・ミス・サンシャイン』
○『サンキュー・スモーキング』

■監督賞
◎マーティン・スコセッシ(『ディパーテッド』)
○クリント・イーストウッド(『父親たちの星条旗』及び『硫黄島からの手紙』)
○スティーブン・フリアーズ(『クィーン』)
○アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ(『バベル』)

■脚本賞
◎『クィーン』
○『バベル』
○『Little Children』
○『Notes on a Scandal』
○『ディパーテッド』

■主演男優賞(ドラマ部門)
◎フォレスト・ウィテカー(『The Last King of Scotland』)
○レオナルド・ディカプリオ(『ブラッド・ダイヤモンド』及び『ディパーテッド』)
○ピーター・オトゥール(『Venus』)
○ウィル・スミス(『幸せのちから』)

■主演男優賞(ミュージカル/コメディ部門)
◎サシャ・バロン・コーエン(『ボラット』)
○ジェニー・デップ(『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』
○アーロン・エッカート(『サンキュー・スモーキング』)
○キウェテル・イジョフォー(『キンキーブーツ』
○ウィル・フェレル(『Stranger Than Fiction』)

■主演女優賞(ドラマ部門)
◎ヘレン・ミレン(『クィーン』)
○ペネロペ・クルス(『ボルベール』)
○ジュディ・デンチ(『Notes on a Scandal』)
○マギー・ギレンホール(『Sherrybaby』)
○ケイト・ウィンスレット(『Little Children』)

■主演女優賞(ミュージカル/コメディ部門)
◎メリル・ストリープ(『プラダを着た悪魔』)
○アネット・ベニング(『Running with Scissors』)
○トニ・コレット(『リトル・ミス・サンシャイン』)
○ビヨンセ・ノウルズ(『ドリームガールズ』)
○レニー・ゼルウィガー(『Miss Potter』)

■助演男優賞
◎エディ・マーフィー(『ドリームガールズ』)
○ベン・アフレック(『Hollywoodland』)
○ジャック・ニコルソン(『ディパーテッド』)
○ブラッド・ピット(『バベル』)
○マーク・ウォールバーグ(『ディパーテッド』)

■助演女優賞
◎ジェニファー・ハドソン(『ドリームガールズ』)
○アドリアナ・バラザ(『バベル』)
○ケイト・ブランシェット(『Notes on a Scandal』)
○エミリー・ブラント(『プラダを着た悪魔』)
○菊地凛子(『バベル』)

■作曲賞
◎『The Painted Veil』
○『The Fountain』
○『バベル』
○『Nomad』
○『ダ・ヴィンチ・コード』

■主題歌賞
◎『ハッピー フィート』("The Song of the Heart")
○『幸せのちから』("A Father's Way")
○『ドリームガールズ』("Listen")
○『ボビー』("Never Gonna Break My Faith")
○『Home of the Brave』("Try Not to Remember")

■アニメ作品賞
『カーズ』
○『ハッピー フィート』
○『モンスター・ハウス』

■外国語映画賞
◎『硫黄島からの手紙』(日米合作)
○『アポカリプト』(米国作品)
○『The Lives of Others』(ドイツ作品)
○『Pan's Labyrinth』 (メキシコ作品)
○『ボルベール』(スペイン作品)

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