原題:Letters from Iwo Jima
2006年(米) 上映:2h21
監督:クリント・イーストウッド
脚本:アイリス・ヤマシタ/栗林忠道(原作)/吉田津由子(原作)
出演:渡辺 謙/二宮和也/伊原剛志/加瀬 亮/中村獅童/裕木奈江/松崎悠希/他

★アカデミー賞★
音響効果賞

戦況が悪化の一途をたどる1944年6月、日本軍の最重要拠点である硫黄島に新たな指揮官、栗林忠道中将が降り立つ。アメリカ留学の経験を持つ栗林は、無意味な精神論が幅を利かせていた軍の体質を改め、合理的な体制を整えていく。上官の理不尽な体罰に苦しめられ絶望を感じていた西郷も、栗林の登場にかすかな希望を抱き始める。栗林の進歩的な言動に古参将校たちが反発を強める一方、ロサンゼルス・オリンピック馬術競技金メダリストの「バロン西」こと西竹一中佐のような理解者も増えていった。そんな中、圧倒的な戦力のアメリカ軍を迎え撃つため、栗林は島中を張り巡らせた地下要塞の構築を進めていく・・・。

(対となる『父親たちの星条旗』は観ていない状況での感想です)
C・イーストウッド監督作品では1・2位をいく傑作でした。戦争をテーマにした作品ということでもかなり上位に入ります。

ストーリーには特に目新しさはないんですが、最後まで飽きずに一気に観ました。子供の頃、祖母に戦争中の数々のエピソードを初めて聞かされた時のショックと切ない気持ちを思い出しました。

内容は人物メインで(戦闘シーンや残酷描写は最小限に抑えてあります)それぞれが丁寧に描かれています。淡々としたC・イーストウッド監督の作風は作品によって賛否が分かれるところですが、本作では大正解。外国人ならではの一歩引いたドライさが良かったのだと思います。日本人監督だとつい力が入ってしまって、観る方も疲れる内容になっていたかも知れません。

敢えて苦言を呈するとすれば、外国を知る士官は冷静かつ理性的な一方、純日本人は頑固で感情的ていう描写が少し鼻につきました。それともう少し硫黄島の戦い全体像がわかるようにしてくれると良かったです。

戦争体験をした人の話を今まで聞く機会がなかった方には特に観て欲しい作品です。

●関連作品●
『父親たちの星条旗』('06)

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