原題:Casino Royale
2006年(英/捷/独/米) 上映:2h24
監督:マーティン・キャンベル
脚本:ニール・パーヴィス/ロバート・ウェイド/ポール・ハギス/イアン・フレミング(原作)
出演:ダニエル・クレイグ/エヴァ・グリーン/マッツ・ミケルセン/ジュディ・デンチ/ジェフリー・ライト/ジャンカルロ・ジャンニーニ/他

英国諜報機関MI6に所属するジェームズ・ボンドは、殺しのライセンスを取得するため、昇格最後の条件である2件の殺害を実行し、見事「00(ダブル・オー)」の称号を得る。そして最初の任務は、世界中のテロリストを資金面で支える男、ル・シッフルの資金を絶つこと。まずはマダガスカルで爆弾所有の男を追い、バハマ、マイアミでは武器売人と航空機爆破の阻止に奔走し、やがてル・シッフルに辿り着くボンド。すると、ル・シッフルがモンテネグロの「カジノ・ロワイヤル」で大勝負に出ることが明らかとなり、ボンドは更なる陰謀を阻止せんと現地へ向かうのだった。しかし、そんな彼のもとには、財務省からお目付役として美女ヴェスパー・リンドが送り込まれる。最初は彼女に対して懐疑的だったボンドだが、危険を共にする中で次第に心惹かれていく・・・。

シリーズ第21作。
最近ハリウッドでは主人公の起源を描いた「ビギニング」や「エピソード1」的な作品が多いですが、本作によって「007」シリーズが再起動されました。
『ゴールデンアイ』('95)以降は冷戦が終了してスパイの存在意義そのものが問われ、方向性が良く定まりませんでしたが、本作でようやく地に足がついた感じです。

初の金髪の6代目ボンド、D・クレイグには賛否両論ありましたが、まだ荒削りで武骨、そして皮肉屋なボンドはなかなか良かったです。久々に「カッコイイ」と思えるボンドでした。

P・ブロスナンのボンドは確かにハンサムで女たらしの雰囲気は申し分ないのですが、アクションはどうもウソ臭いというか弱そうでした。その点D・クレイグは本当に強そうで、動きに説得力があります。

顔は決して美形ではありませんが、全体から染み出る「オスの魅力」があると思います。
また、相手をベッドに連れ込むことばかり考えているのではなく、そっと抱きしめるシーンは新鮮でよかったです。

作品は、ボンドとヴェスパーの「愛の時間」がちょっとダレて作品から浮いている気がしましたが、2時間半近く、一気に観られました。

なんと言っても、最後の決め台詞からお馴染みのテーマソングで始まるエンドクレジットがカッコイイ!

シリーズ自体に深い思い入れがある訳ではないので、お約束のQやマネーペニーがいないのはそれほど気になりませんでしたが、この辺は次作で触れられるのでしょう。

●関連作品●
『007/ドクター・ノオ』('62)
『007/ロシアより愛をこめて』('63)
『007/ゴールドフィンガー』('64)
『007/サンダーボール作戦』('65)
『007は二度死ぬ』('67)
『女王陛下の007』('69)
『007/ダイヤモンドは永遠に』('71)
『007/死ぬのは奴らだ』('73)
『007/黄金銃を持つ男』('74)
『007/私を愛したスパイ』('77)
『007/ムーンレイカー』('79)
『007/ユア・アイズ・オンリー』('81)
『007/オクトパシー』('83)
『007/美しき獲物たち』('85)
『007/リビング・デイライツ』('87)
『007/消されたライセンス』('89)
『007/ゴールデンアイ』('95)
『007/トゥモロー・ネバー・ダイ』('97)
『007/ワールド・イズ・ノット・イナフ』('99)
『007/ダイ・アナザー・デイ』('02)
『007/カジノ・ロワイヤル』('67)
『ネバーセイ・ネバーアゲイン』('83)

"@ the Movies"
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■DVD■
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