原題:The Phantom of the Opera
1925年(米) 上映:1h35
監督:ルパート・ジュリアン
脚本:エリオット・クローソン/レイモンド・シャロック/ガストン・ルルー(原作)
出演:ロン・チェイニー/メアリー・フィルビン/ノーマン・ケリー/ギブソン・ゴーランド/バージニア・ピアソン/スニッツ・エドワーズ/ジョン・セインポリス/他
19世紀のパリ。幽霊が出ると噂されるオペラ座では連日華やかなショーが繰り広げられていた。若く美しいコーラスガールのクリスティーヌは、オペラ座の地下に住む怪人に歌手としての素質を見いだされる。そして彼女の楽屋の鏡の中から現れたオペラ座の怪人は、地下の湖を通ってクリスティーヌを隠れ家へと導く。その頃、オペラ座にはクリスティーヌを新作の主役にせよと要求する怪人の脅迫状が届いていた。劇場がこれを拒否したため、クリスティーヌ身辺に奇怪な事件が次々と起こり始める・・・。
1911年に出版されたG・ルルーによる同名小説の初の映画化作品。現在は著作権が切れてネットから合法的に無料ダウンロード出来るので、今更ながら鑑賞しました。
一部のシーンは当時の最先端技術だった2原色テクニカラーで撮影されている意欲作です。本作のヒットが、後にユニバーサル映画社を代表する、『魔人ドラキュラ』('31)や『フランケンシュタイン』('31)といった一連のホラー映画が制作されるきっかけとなりました。
「千の顔を持つ男」と呼ばれたL・チェイニー自身によるドクロのようなファントムの特殊メイクは一見の価値はあります。L・チェイニー演じるファントムがマスクを取られるシーンは、異常性、哀しみ、怒りが同居する彼の心情が伝わってくる映画史に残る名シーンです。当時の観客はさぞ驚いたであろうことは容易に想像できます。
反面、昔の作品ということを差し引いても話のテンポが遅いと感じました。サイレント映画で展開がダレるのは結構ツライものがあります。
ラストで描かれるファンタムの最期は、「本当に怖いものは何か」ということを考えさせられました。
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