原題:The World According to Garp

1982年(米) 上映:2h17
監督:ジョージ・ロイ・ヒル
脚本:スティーブ・テシック/ジョン・アービング(原作)
出演:ロビン・ウィリアムズ/グレン・クローズ/メアリー・ベス・ハート/ジョン・リスゴー/ヒューム・クローニン/ジェシカ・タンディ/アマンダ・プラマー/ウォーレン・バーリンジャー/ブランドン・マガート/ジェニー・ライト/他

自立した人間として生きたいという強い信念を持った看護婦のジェニーは、結婚はしたくないが子供は欲しいなと思っていた。ちょうどその頃、戦争で重傷を負った軍曹が運び込まれて来た。ある夜ジェニーは「ガープ」としか名前も言えない彼と交わり、男の子をもうけ、「ガープ」と名付ける。その誕生の仕方からして相当風変わりだったガープの一生は、奇妙な人々との愛と性と暴力と死に満ちあふれていた・・・。


観終わって何だか複雑な心境でした。バァーっと見せて、あとは観客それぞれが何を感じるかに任せるといった具合です。


誕生のいきさつ、成功していく様、妻との事件、老いてなお活動的な母親と、とにかく主人公ガープの波瀾万丈な人生を駆け足で見たという感じです。


個人的には『フォレスト・ガンプ/一期一会』('94) のような作品を期待していたので少々期待ハズレでしたが、本作の方が大人向けの残酷で優しい、コミカルでウイットに富んだ作品です。


やはりR・ウィリアムスは、ちょっととぼけた役がピッタリです。これがデビュー作とは思えないG・クローズの奇妙な存在感のある演技も見逃せません。


内容とは関係ありませんが、主題歌のビートルズの曲がなんとなくほのぼのとした作風にあっていて良かったです。


"@ the Movies"
http://www.asahi-net.or.jp/~rn6d-hnd/
--------------------
■DVD■

ガープの世界/ロビン・ウィリアムス


原題:The Long Kiss Good Night

1996年(米) 上映:2h01
監督:レニー・ハーリン
脚本:シェーン・ブラック
出演:ジーナ・デイビス/サミュエル・L・ジャクソン/パトリック・マラハイド/クレッグ・ビアーコ/ブライアン・コックス/デビッド・モース/G・D・スプラドリン/トム・アマンデス/イヴォンヌ・ジーマ/他

サマンサは8年前に浜辺に流れ付いたのを発見され記憶喪失となっていたが、現在は夫ハル、娘ケイトリンとともに幸せな生活を送っていた。しかし、たまたまサマンサの姿がテレビのニュースに映し出されたことから、サマンサはCIA、犯罪組織の両者から命を狙われる。おりしも車で事故を起こしたサマンサは僅かながら記憶の一部を取り戻す。一方、サマンサが失われた自分の過去を調べさせる為に雇った私立探偵ミッチが掴んだサマンサ宛の手紙を手掛かりにサマンサとミッチはネイサンという人物に会うため旅に出る。待ち合わせの駅に辿り付くが、何故か突然武装集団に襲撃され、咄嗟に反撃何とか逃げることが出来たが・・・。


スゴイです。これでもかというぐらいに火薬使い放題のド派手なアクションシーンの連続です。


それも、ただ銃を乱射させるだけではなく、どれも絶対死んでるってとツッコミ入れたくなるものばかりです。


ストーリーは単純で大したことないのですが、サマンサ役のG・デイヴィスがバリバリにカッコイイです。ウソ~んと言いたくなるぐらい強いです。殺しても死にません。


S・L・ジャクソンも人の良い探偵を好演してます。


"@ the Movies"
http://www.asahi-net.or.jp/~rn6d-hnd/
--------------------
■DVD■

ロング・キス・グッドナイト


原題:Pulse
2006年(米) 上映1h26
監督:ジム・ソンゼロ

脚本:ウェス・クレイヴン/レイ・ライト/黒沢清

出演:クリステン・ベル/イアン・サマーハルダー/クリスティナ・ミリアン/リック・ゴンザレス/ジョナサン・タッカー/サム・レヴァイン/オクタヴィア・スペンサー/ロン・リフキン/ブラッド・ドゥーリフ/ケル・オニール/他


学生ハッカーのジョシュが突然音信不通となってしまう。心配した恋人のマティが彼のアパートを訪ねると、憔悴しきったジョシュがいた。彼はマティの呼びかけにも反応を示さず、ついには彼女の目の前で首を吊って自殺してしまうのだった。彼の死に疑念を抱いたマティと友人たちは、真相を探り、やがて彼が残したパソコンの中に手がかりがあると確信する。そんな中、全米各地で人々が突然姿を消す不可解な現象が蔓延していた・・・。

黒沢清監督作『回路』(’01)のリメイク作品。オリジナルは未見です。


コンセプトは面白いものの、観応えのある作品に仕上げるまでには至りませんでした。「幽霊」の容姿やおどろおどろしい演出は不気味で怖いです。でも同じパターンを何度も繰り返されるとさすがに飽きます。


だんだんと人がいなくなっていく展開は薄気味悪くて良かったです。


しかし、やはり話を練り切れていない感覚は拭えず、PCに表示される謎のメッセージや謎のウェブカメラの映像と、「幽霊」の因果関係がこの辺りから破綻してしまっています(中途半端にオリジナルのおいしいどこ取りをしようとした結果?)。赤いテープは何だったの?


しかも散々引っ張った挙句に、何も解決していない、全然まとまっていないラストには閉口しました。


●関連作品●
『回路』('00)


"@ the Movies"
http://www.asahi-net.or.jp/~rn6d-hnd/
--------------------
■DVD■

パルス-回路- アンレイテッド・バージョン


原題:A Farewell to Arms
1932年(米) 上映:1h20
監督:フランク・ボーゼージ

脚本:ベンジャミン・グレイザー/オリバー・H・P・ギャレット/アーネスト・ヘミングウェイ(原作)

出演:ゲイリー・クーパー/ヘレン・ヘイズ/アドルフ・マンジュー/メアリー・フィリップス/ジャック・ラ・ルー/他


第一次大戦のイタリア隊救護班に配属された米国出身の義勇兵フレデリック中尉は、ミラノの本部の病院で逢った親友の軍医リナルディ大尉に看護婦とのダブル・デートに誘われ、大尉お目当てのキャサリンと急速に親しくなる。フレデリックは再び前線に出て大怪我をして戻る。手厚く看護するキャサリン。2人は結婚を決意し軍属神父の祝福を受ける。そして全快したフレデリックは再び前線へ・・・。

E・ヘミングウェイの同名小説の映画化作品。


名作として知られる本作ですが、どうもイマイチでした。


G・クーパーとH・ヘイズはなかなかの名演です。ただ、内容が普通のメロドラマなラブストーリーなんですよね。


一応、反戦のテーマが根底にあることは理解しますが、フレデリックの行動はちょっと軽いと言うか、単に好きな人の下に行くために軍務を放棄しているようにしか感じられませんでした。


背景にあるハズの戦争の悲惨さやそれに巻き込まれた人々の絶望感、無力感というものがあまり伝わってこなかったです。


同様のテーマの作品としては『西武戦線異状なし』('30) の方が好みです。


なお、本作は1933年の日本公開時に、題名が反戦的だとして内務省当局に検閲され、タイトルを「戦場よさらば」に改められ、いくつかのシーンをカットされて上映されました。


●関連作品●
『武器よさらば』('57)


"@ the Movies"
http://www.asahi-net.or.jp/~rn6d-hnd/
--------------------
■DVD■

世界名作映画全集106 武器よさらば/ゲイリー・クーパー
武器よさらば/ゲイリー・クーパー


原題:The Phantom of the Opera
1925年(米) 上映:1h35
監督:ルパート・ジュリアン

脚本:エリオット・クローソン/レイモンド・シャロック/ガストン・ルルー(原作)

出演:ロン・チェイニー/メアリー・フィルビン/ノーマン・ケリー/ギブソン・ゴーランド/バージニア・ピアソン/スニッツ・エドワーズ/ジョン・セインポリス/他


19世紀のパリ。幽霊が出ると噂されるオペラ座では連日華やかなショーが繰り広げられていた。若く美しいコーラスガールのクリスティーヌは、オペラ座の地下に住む怪人に歌手としての素質を見いだされる。そして彼女の楽屋の鏡の中から現れたオペラ座の怪人は、地下の湖を通ってクリスティーヌを隠れ家へと導く。その頃、オペラ座にはクリスティーヌを新作の主役にせよと要求する怪人の脅迫状が届いていた。劇場がこれを拒否したため、クリスティーヌ身辺に奇怪な事件が次々と起こり始める・・・。


1911年に出版されたG・ルルーによる同名小説の初の映画化作品。現在は著作権が切れてネットから合法的に無料ダウンロード出来るので、今更ながら鑑賞しました。


一部のシーンは当時の最先端技術だった2原色テクニカラーで撮影されている意欲作です。本作のヒットが、後にユニバーサル映画社を代表する、『魔人ドラキュラ』('31)や『フランケンシュタイン』('31)といった一連のホラー映画が制作されるきっかけとなりました。


「千の顔を持つ男」と呼ばれたL・チェイニー自身によるドクロのようなファントムの特殊メイクは一見の価値はあります。L・チェイニー演じるファントムがマスクを取られるシーンは、異常性、哀しみ、怒りが同居する彼の心情が伝わってくる映画史に残る名シーンです。当時の観客はさぞ驚いたであろうことは容易に想像できます。


反面、昔の作品ということを差し引いても話のテンポが遅いと感じました。サイレント映画で展開がダレるのは結構ツライものがあります。


ラストで描かれるファンタムの最期は、「本当に怖いものは何か」ということを考えさせられました。


"@ the Movies"
http://www.asahi-net.or.jp/~rn6d-hnd/
--------------------
■DVD■

オペラ座の怪人